吉野熊野国立公園
地図
環境省/吉野熊野国立公園
http://www.sizenken.biodic.go.jp/park/np/yoshinokumano/topics/1/
吉野熊野国立公園(よしのくまのこくりつこうえん)
1936年2月1日に十和田八幡平国立公園、富士箱根伊豆国立公園、大山隠岐国立公園とともに指定された、三重県・奈良県・和歌山県の3県にまたがり、近畿に広がる国立公園。総面積59,798ha。
概要
紀伊半島の中央部から南岸までの山岳・河川・海岸の自然に恵まれた、広大な地域を占める公園。
大きく3つの部分に分かれており、吉野・大峯山を中心とする山岳部、熊野川とその支流北山川流域からなる河谷部、熊野灘に面し、那智山一帯を含む海岸部からなる。以下では、個別に解説をくわえる。
吉野熊野国立公園の自然
山岳部
山岳部は、大きく分けると大峯山脈と大台ヶ原一帯に分けられる。地質的には、主に古生代,中生代の変成岩などから成る山岳地帯である。
山岳部の北端は、仏教史跡と寺院、桜の名所として知られる吉野である。ここから、標高1914.6mの八剣山(仏経ヶ岳)を最高峰として山上ケ岳、大普賢岳、弥山、釈迦ケ岳、涅槃岳などが南に連なるが、これらの山々は古来の修験道の行場であり、関連する社寺や文化財・史跡が多い。なかでも、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)は、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録(2004年7月1日)されたことで、いっそう広く知られるようになった。
大台ヶ原は,標高1500m前後に広がる、日本では希な非火山性の隆起平原で、広大なブナやトウヒなどの原生的な樹林が残るほか、ニホンジカ、カモシカなどの大形哺乳類をはじめ、多くの鳥類、両生類、昆虫類などが棲息する。石楠花の自生地が有名だが、シカ食害が深刻である。
河谷部
紀伊半島は日本でも有数の多雨地帯であるが、河谷部を構成する熊野川とその支流の北山川も、その源流は大峯山脈・大台ケ原である。特に北山川は、その中・下流域において激しく浸食と蛇行を繰り返し、深いV字谷を刻む。九里峡から奥の渓谷は瀞峡(どろきょう)の名で名高い。下流から下瀞・上瀞・奥瀞に分かれるが、瀞八丁として知られる瀞峡は、景勝地としてよく知られている。熊野川本流との合流後も、新宮市内の千穂ケ峰付近まで、侵食崖や岩壁にかかる滝などの景観が続き、訪れる者の目を楽しませる。
海岸部
海岸部には、海食や地質活動の結果生じた、変化に富んだ奇観が多数見られる。
海岸部の景観は大きく分けると以下の3つの部分に大別できる。尾鷲から鬼ヶ城にかけての主として三重県部分は、典型的なリアス式海岸をなす。鬼ヶ城を過ぎて、新宮までの七里御浜は、直線的で防潮防風の海岸林を備えた礫浜となっている。ここから本州最南端の潮岬まではリアス式海岸の屈曲の多い海岸景観を見せるとともに、太平洋岸には海蝕地形(海蝕崖)がよく発達しているのを見ることが出来る。
この地域は熊野灘・枯木灘を流れる黒潮の影響を受けて温暖である。暖帯常緑広葉樹林が生育しているほか、その林床にはリュウビンタイやユノミネシダなど、本来は亜熱帯を本拠とする植物も生育するほどである。
また、串本町近辺の海域は海中景観に優れ、日本で初めての海中公園に指定された。イシサンゴ類や熱帯魚類が見られるほか、とりわけ潮岬の周辺や二木島付近ではサンゴが広範に生息している。
那智勝浦町の内陸部にある那智山一帯は、那智原始林の深い自然林を擁し、日本最長の那智滝がある。また、那智滝を神体とする自然信仰を基盤とした聖地でもあり、古来の様相を今に伝えている。